2014年06月10日
涙がおしえてくれた
涙のメールを読んで
小さな命を悼む あなたの
優しい言葉に浸りながら ぼくは
朝のウオーキングに出かける
きょうの空は灰色だったけど
ひとすじ青いものが泳いでいくのが見えた
そのあと空はくずれて
ぽつりぽつりと雲のしずくが それは
かわいい鰭をつたって落ちてきた
あなたの涙だったかもしれない
鰭をピロピロさせていた 小さな熱帯魚と
耳をフルフルさせていた 子犬と
愛されたものたちは なおも
愛したひとの記憶の中で ずっと
命をつないでいくんだね
涙をいっぱい流したひとの 海が広い
ピロピロとフルフルと波の
光と影でいっぱいだ
むかし少年の水槽には メダカが泳いでいた
すばやく生きて すばやく死んだ
チビで剽悍なやつ
喜びも悲しみも たくさんもらった
小さく生きても 大きく生きても
命の大きさは変わらない
そのとき 涙がおしえてくれた
いま涙の温もりをいっぱいためて
あなたの海が また近くなる
今朝ぼくが見た 空のさかなは
南の海の青さだったよ
Posted by ゃぬのね at 15:28│Comments(0)
│feeling